【卒業生の手紙】

「ぼくの新しい毎日」  増本圭佑


ぼくは四月一一日に自由学園へ入学しました。入学した当時は全ての事が初めてで、おこられるかなと思い、失敗したくないという事ばかり考えていました。でも実際は失敗しても「今度から気をつけてね。」と言われるだけで怒られることはありませんでした。今はだいぶ慣れて、失敗も少なくなったけど、今度は怒られたくないからではなくちゃんとしないと他の人に迷惑がかかるから失敗しないでやりたいと思って何でもやるようになりました。朝ご飯を作る当番の時は前の晩に野菜を切ったりしておいて、四時三〇分に起きて一四八人分の朝食を四人で作っています。これは楽しいです。作るのはいいけど片づけをするのは好きではありません。当番じゃない時は五時三〇分に起きて掃除をしたらサッカー部の朝練をしたり、卓球をしたりしています。平日はずっと寮だけど日曜日は東京に実家がある友だちの家へ行って晩ご飯を食べさせてもらったりしています。寮の生活は色んな事を自分でしないといけないから大変だけど、友だちとずっと一緒にいれるのは楽しいです。学校では嫌いだった英語も楽しくなってきたし、寮に木曜日以外は先生が来て勉強を教えてくれたり、英語を話せる友だちや先輩が教えてくれるから、勉強する事が嫌いではなくなりました。音楽が嫌いだけど、美術も好きになったし、全部の教科が好きです。

学校ではなんでも一年~六年が討議で決めます。今はぼうず頭にするかしないか討議しています。夏休みまでには決議します。小学校の時は決まった事を決まったようにするばかりでした。この学校はぼうず頭ひとつにしても自分達で決めます。自治をとても大切にしていて、いつも真の自由人になろうと言われます。自分の好きなようにするというのは自由ではない。でも真の自由は何なのかはまだ僕には分かりません。先生はいつもどんな時もどんな事も自分達で決めてやらせます。一回もこうしなさいと言われた事はなくて、どうしたいの?とばかり聞かれます。授業はひととおり単元を教えてくれたらそこからは自分で勉強していきます。九月には修養会が三泊四日であります。(僕はいつも泊まっているけど)その内容からキップを買う事、一人で行く事、事故などの時どうするか、全て自分で決めて考えていかなくてはいけません。だから僕は毎日ずっと何かどうしたらいいか考えています。自由というのは本当に大変だ。最初は何もわからなくて先輩に教えてもらったり友だちと協力してなんとかやってきました。六年生(高校三年生)になったときは室長の守屋君のようにみんなに頼られるようになりたいです。少し慣れてきたので、たまには鶴見教会へも行きたいと思っています。


 「幼児生活団の蒔いた種」  

                        

1957年卒業 10回生 聖光幼稚園 園長 宮嶋 眞

 

 私事で恐縮ですが、今回はわたしの幼稚園時代の想い出を書かせていただきます。大阪市内に生まれたのですが、幼稚園は、市電、地下鉄、JRを乗り継いで約1時間かけて通っておりました。「婦人之友」「自由学園」「友の会」の者、羽仁もと子(1873~1957)さんによってはじめられた「大阪友の会、幼児生活団」と言うところでした。

 そのユニークな教育は今もなお私の心に深く根付いているように思います。羽仁もと子著作集の中に「おさなごを発見せよ」と言う一文があります。

 「その両親や周囲の人びとが、赤ん坊自身にさずかっているみずから生きる力に対して、敬虔な信頼の思いを持っていることから、自然に落ちついた気持ちになって、深い愛情と強い理性と現在最高の知識をもって赤ん坊に接するならば、彼らはたやすくその柔らかい生命にそのよい力をうけるものです。」

 週に一回、生活団に通い、生活に関わる様々なこと、例えば冷水摩擦、一人寝、着替え、食べる、料理、音楽などを学び一週間、家庭でそれを繰り返し「励む」。

その結果を「励み表」に記入し、次の週の登団日に友だちと共に見合って、出来たかどうか、なぜ、出来たのか、出来なかったのかを自分で考えて説明するということを繰り返しました。 

 様々な生活の知恵を学び、繰り返してよりよく修得する所から「生活団」の名前が付けられているのですが、わたしはこの点よりは、励み表からそれぞれの努力を見合い、友だちからもアドバイスをもらう時間が、生活団教育の最もユニークな点であると思います。  

 子どものときはこのことに気づかなかったのですが、毎年、12月にクリスマスのお話しをするため生活団にうかがうようになってから、その時にも行われている、励み表の発表の時間に立ち会って、そのことが強く意識されました。

 発表の時間に子どもが、口ごもったり、詰まってしまったとき、指導者は子どもの考えていることや迷っていることに、じっと付き添い、時には少しヒントも加えながら、子どもの言葉が熟するのを待ってくれます。子どもも一生懸命考えて、勇気を奮って言葉をつなぎます。その瞬間を見ていて、先述の「おさなごを発見せよ」で羽仁さんが説いた「幼児への信頼」と「最高の知恵をもって接する」ことの大切さを再認識したように思います。

  幼いころに、このようにして、わたしの発する言葉をきちんと受け止めようとしてくれた大人がいたことが、わたし自身の言葉が紡ぎだされていくきっかけになっていると強く確信できます。

 今、日々接する子どもたちから発せられる、とつとつとした一言、一言を待ち、受け止め、それにしっかりと反応していくことができればと思います。

2015年3月8日卒業生の手紙より

     

2001年卒業 54回生 I.Y (おしるし りんご)

 

今年の2月には国家試験を受けました。そして先日、神様に守られ たくさん家族に支えられ無事に看護学校を卒業することができました。これから社会に出て、また新しい一歩を歩んでいきます。 私は生活団で冷水まさつをし、毎日励み表をつけたことや、十姉妹やちゃぼや鳩を班で交代にお世話したこと、また野菜やお花を種から植えて双葉の成長を観察しながら育てたことが、とても思い出に残っています。 生活団では毎日、毎日、コツコツと目標を立てて励むことの大切さや、動物や植物を育てることによって、物や人も大切にする優しい心も養われたのではないかと今になって思います。 4月から看護師としての新しいスタートが始まります。頑固でやんちゃな幼少期だった私ですが、この道に進むことができたのも小さい頃の生活団での心の養いや教えがあったからだと思っています。本当にありがとうございました。                                                      

2014年5月20日 全国友の会 全国大会において 

自由学園生としての発表より抜粋  

 

2003年卒業 56回生 H.A(おしるし きしゃ)

 

新入生部屋室長として1年生と関わって」 男子部では新入生は入学したその年には全員が1年間寮で生活しますが、最初の約100日間を新入生部屋という部屋で過ごします。新入生部屋は男子部で6年生と呼ばれている、高等科3年生の室長、中等科3年生の副室長、同じ新入生5~6人というメンバーです。 新入生部屋では、寮の基本時間や敬語をはじめとする礼儀などの基礎的な事から、整理整頓、洗濯などの身の回りのことや、掃除、自炊などの公の仕事をします。これらの事を通して、皆で一緒に生活していく難しさと大切さを学んでいます。この新入生部屋期間は男子部6年間の中で最も大きく成長する期間の1つです。そこで僕達6年生は、今年の新入生を育てていくうえで、3つの目標をたてました。1つ目は、「率先」。2つ目は、「礼儀」。3つ目は、考えて動くと書いて「考動」です。この3つの目標は、僕達75回生が1年生だった頃に当時の6年生が立てて下さった目標です。この3つの目標を軸に僕達を育てて下さいました。僕たちはこれがとても心に残り、僕達もこの3つを新入生の目標に掲げて、新入生と一緒に成長していきたいと思っています。

2014年卒業 67回生 K.M(おしるし いちご)

 

しょうがっこう、はたのしいです。さいしょは、おともだちができませんでした。でも、いちにちでおともだちができました。きゅうけいじかんは、おともだちといっしょにあそんでいます。おそうじのじかんは、せんせいがほめてくれました。せいかつだんでおそうじをならってから、ずっとやっているから、かんたんにできるようになった。がっこうにいくときや、おともだちのおうちにいくときは、みちあるきをします。みちあるきをしなかったら、くるまにひかれるから、せいかつだんでおしえてもらったように、みぎ ひだり みぎ しています。いっぱいせいかつだんでならって、よかったなとおもいます。 せいかつだんはたのしかったです。おともだちがいっぱいできて、すなばであそびました。おともだちのおうちにいったり、あそびにいたりしました。 まいにち、おかあさんといっしょにおでかけしたり、としょかんにいったりしました。いまはわたしがいなくて、さびしいかなとおもいます。

2014年卒業 67回生 S.M(おしるし ふね)

 

これからようじせいかつだんにはいるみんなへ、おくりものせいかつだんは、ともだちはいっぱいあそんでくれるし、はげみひょうは、はってたのしいし、それにいっしょにべんきょうもできるし、とにかくたのしいよ。そつぎょうしてもつづけたらいいでしょう。はるやすみをこえたら5さいぐみもたのしいよ。また6さいぐみもたのしいよ。おたのしみに。しょうがっこう、ちゅうがっこう、こうこう、だいがくまで つづけたらいいね。せいかつだんでやったことはいつまでも、かみとかし、かおあらい、れいすいまさつ、おちつきたべ、ぜんぶたべ、はやねはやおき、ひとりね、つづけたらいいね。ならったことぜーんぶ、 つづけたらいいね。おしまい。